こんにちは、カナダで教育・移民コンサルタントをしている西岡彩です。カナダ・バンクーバーの現地オフィスから皆さんのカナダ全土の中学、高校留学サポートを行っています。
以前投稿したビクトリア学区のダグラス高校に通学中のユイちゃんの投稿を覚えていらっしゃいますでしょうか?担当アドバイザーが毎月面談し、親御様にお送りしている面談報告から一部内容を抜粋した記事でした。時系列で留学生活を追っている様な内容になっていたので、生徒様ご本人の成長はもちろんのこと、履修科目を含めた学校生活や、ホストファミリーとの交流など、カナダの高校留学がわかる内容となっており、大変人気の投稿でした!
そのため、今回は第二弾!パウエルリバー学区のブルックス高校に通うMちゃんの経験や成長、気づきを皆様にお届けできればと思います。
(下記はMちゃんを担当しているアドバイザー目線で内容をまとめています)
学区:パウエルリバー学区(ブルックス高校)
学年:Grade 11
期間:語学学校(VGC)→卒業目的の高校留学(2022年8月から2024年6月)
滞在方法:ホームステイ
もくじ
カナダ高校留学1か月目(9月)
8月の夏休み期間はバンクーバーにある語学学校VGC(ブイ・ジー・シー)に通い、現地の高校生活を開始するする為の準備に励んでいました。9月入学にてパウエルリバー学区のBrooks Secondary School(ブルックスセカンダリースクール)への通学が開始したので、語学学校と現地の高校で感じた違いを聞いてみました。語学学校VGC(ブイ・ジー・シー)ではクラスメイト全員が留学生で、「英語を勉強しに来ている生徒」なので、ある意味では自分自身の現在の英語レベルで「ちょうどいい」無理のないレベルで受講ができましたが、Brooks Secondary School(ブルックスセカンダリースクール)ではカナダのローカルの生徒さんや英語力の高い留学生も混合で授業を行う機会もあるので、改めて「頑張ろう」という気持ちになれたそうです。最初に語学学校に行ったのは、このようにそれぞれの良さを経験できますし、現地校でも頑張ろうと感じてくれるのはご本人にとってもいい刺激になったと思います。
Mちゃんがご留学前はお母様とやり取りを行い、その際にお母様の判断で夏休み中に渡航し語学学校に行く、という選択をされてました。英語力はもちろんのこと、経験という面でご本人にとても良い経験になったと思います。
9月からのセメスターでの4教科は下記の通りです。
・ELLが2教科(Canadian Studies11とEnglish Language &Culture 10)
・Pre-Calculus 11(数学-数学10と数学11もしくは12はBritish Columbia州の卒業必須科目です)
・Visual Arts Photography10 (選択科目、通称Elective Class(エレクティブクラス)と呼びます)
ELLのクラスではクラスメイトが6-7人ほどだったそうです。
事前に英語の勉強をしている生徒さんでも卒業必須単位のEnglish10,11,12に進む前に、ほぼ必ずELLの教科を取る事になります。ここのクラスでもつまずいてしまうことはありますが、語学学校に通っていたMちゃんにとっては気持ちに余裕をもってスタートができました。
Pre-Calculus11(プレカリキュラス11・数ある数学系の1教科)については専門用語を覚えればそこまで難しいことはないと頼もしい一言!
Visual Arts Photography10 (ビジュアルアーツ フォトグラフィ10・選択科目)の授業は結構自由に、生徒の判断に任せたスタイルの授業だったようで、授業を受ける上で自分なりに何をやるか、それをこなす上での計画性も求められる授業かと思います。
空き次第ではありますが、自分で取りたい科目を選んで受けるスタイルのカナダの教育では、開始から1週間であれば、クラス変更をInternational Student Program(インターナショナルスチューデントプログラム)のカウンセラーに申し出をすると、空きのあるクラス変更も可能なのがいいところですね。
Powell River(パウエルリバー)に住む人々はアイランドというエリアならでは!と言った感じでフレンドリーで優しく、アウトドアが好きな人が多いのですが、Powell River School District(パウエルリバー学区)のホームステイも例に漏れず!「「娘の様に思っている」とか、「食べたいものは好きに食べてね」と言ってくれたそうで、「とても優しいです!」とMちゃんも大喜び。
土日は湖でホストファミリーとカヤックをしたそうで次の土日はキャンプに連れて行ってくれる予定ということで楽しみにしていましたね。
パウエルリバー学区のホストファミリーはアクティブなご家庭が多いので、今後もこういったアクティビティに参加するチャンスはたくさんあると思います。
カナダ高校留学2か月目(10月)
Brooks Secondary School(ブルックスセカンダリースクール)では留学生用のクラスを2つ(CanadianStudies11とEnglish Language & Culture 10)を受講中ですが、Mちゃんが他の留学生のクラスメイトよりも高い英語力を持っているため、授業で英語が分からない生徒に対して通訳してあげたりもしています。通訳の立場に立てるのは英語力向上を狙うにもいいですし、周りとコミュニケーションが図れ、交友関係が広がるきっかけになるります!Mちゃんにとっては少し授業内容が簡単と感じる部分もあったそうですが、ポジティブに状況を受け入れて周りの生徒さんをサポートしてあげている姿は本当に素敵なことだなと思います。また、毎週火曜日に卓球部への参加を開始しました。この部活は小規模で、どちらかというと遊びに近い感覚だそうですが、だからこと気兼ねなく楽しくやれているということでした。
ホームステイでの生活は、先日Mちゃんのお誕生日だったときも、Mちゃんがカキが好きという話しを伝えたらホストファザーやホストドーター(ホームステイ先の娘さん)が一緒にカキを取りにいくのに付き合ってくれて蒸し焼きにして食べる機会もあったのだとか。
また誕生日ということで、チョコのケーキをホストファミリーが用意してくれたそうなのですが、今まで食べたケーキの中で一番美味しかったと嬉しそうにお話してくれました。
いろいろと気にかけてくれたり、外に連れ出してくれるホストファミリーではあるのですが、Mちゃんとしては一人で過ごす時間も好きだそうで、先日1日家で過ごしていたらホストファミリーに「外に出ないの?!」と心配されることもあったのだとか。
自分の気持ちは自分の言葉で伝えないと!と考え、「時々は自分の部屋で自分の時間を過ごすことも自分にとっては大切なことなんだ。」と伝えられたようで、正直に気持ちを伝えることの大切さを学んだと同時に、伝えてみたら自分が心配していたよりもすんなり相手も理解してくれた、と感じたみたいです。日本は「伝えなくてもわかってくれる」文化ですが、北米社会ではそうもいかないので文化の違い
を感じてもらういい機会だったのではと思います。
カナダ高校留学3か月目(11月)
ELL(Canadian Studies11とEnglish Language &Culture 10)のクラスではディスカッションやプレゼンテーションなど、グループワークが多いことから日本人をはじめフランス人留学生などいろんな留学生と話す機会が増えました。
英語で話すのと日本語を話すのでは少し人格が変わる、というのが一般的に言われていることになりますがMちゃんの中でも「日本語よりも英語の方が自分の意見を言えるようになったかも」ということでご自身の中で変化を実感されている様でした。留学開始3か月で既に気が付けるなんてすばらしいことですね!
ホストファミリーとは最近では週1-2回程キノコ狩りに連れて行ってくれて、集めたキノコをチャーハンにしたりスパゲティにしたりしてくれたそうです。
キノコ狩りしたキノコで食事をつくる、なんて本当にパウエルリバーらしい生活です。10月31日はハロウィンだったので、学校のパーティに参加したり、ホストと一緒に近所の家を回ってTrick or Treatしたりと北米らしい生活も楽しんでもらえているようでよかったです。
カナダ高校留学4か月目(12月)
12月は冬休みが始まる前のInterim Report Card(インターリムレポートカード・中間成績表)が出る時期になります。Mちゃんの中間成績は…なんと!全ての教科がA判定(A~F判定で、Fは不合格)でした。Mちゃんとしては最初なので簡単に感じたそうで、夏休みに前乗りして語学学校でしっかりと英語力を上げ、準備をしていたことも勝利を掴めた理由の一つかとおもいます。本当に良く頑張ってくれました!
学校の部活で卓球をやっていた時に、カナディアン(現地の生徒さん)の生徒さんが混ざってきて仲良くなる機会がありました。弊社の他の生徒さんでも、スポーツを通してローカルの生徒さんと仲良くなる機会を持てている印象があります。留学生ともローカルの生徒さんともいろいろと交流の幅を持てるように意識・行動することで、学校生活や英語力の向上に役立ちますね。
カナダ高校留学5か月目(1月・前半学期の最終月)
いよいよ今学期集大成の1月!
1月の残りの期間も油断せずに頑張ってくれたので、見事に成績をキープでき、全ての教科でA判定でした。最初は ELL(Canadian Studies11とEnglish Language & Culture 10)の2クラスが簡単かな?と感じていたMちゃんですが、そんな中で英語がわからない生徒に対して「通訳」としてサポートに回るなど、前向きにクラスに携わってくれていました。
時にクラスで携帯をいじっている生徒さんに対して、悩むこともありましたが、「気にしすぎてもストレスになるだけ!」と割り切って、自分のするべきことをしっかりこなした結果がこのように成績にも表れていますね。
また、向上心が高く、絵を描くことが得意なMちゃんは折角の留学生活なので、別の学校に移動してみたい!と考え、2023年9月からSaanich School District(サーニッチ学区)のStelly’s SecondarySchool(ステリーズセカンダリースクール)へ転校することになりました。
新たなステージで、Mちゃんらしく活躍してくれるのがとても楽しみです。
カナダ高校留学6か月目(2月・2学期目開始月)
新しいセメスターが開始しました。今セメスターではアート、ケミストリー、CLE(Career LifeEducation・キャリアライフエドゥケーション)、English10の受講で、ついに卒業必須科目のうちの一番の要となるEnglishシリーズの受講が開始です。
Mちゃんは元々アートは得意で好きですし、ケミストリーは日本で習った単元もありしっかりと予習・冬集も行っていて問題もないです。English10はファーストネーション(カナダの先住民)についての単元を習っているのですが、日本のように単一民族国家の私たちからするとなかなか理解が難しくMちゃんも少し苦労している様子でした。(カナダではファーストネーションが過去に虐げられていた歴史に
対する反省も含めて必ず習う内容になります。)
Mちゃんはそこであきらめず、自分でその歴史的背景をネットで調べたり、動画などを見て理解を深める努力をし頑張ってくれています。また日本の歴史でも類似点があるのでそういったことも含めてレポートにまとめて、独自の目線で課題を提出出来れば、と前向きに頑張ってくれている姿は、アドバイザーをしている立場の私たちも学ばせてもらう事ばかりです。
English10の方でわからないことを優しく教えてくれるカナディアン(ローカルの生徒)の生徒さんがいるそうで、ローカルの生徒さんともそういう関係を持てていることが知れて嬉しく思いました。
恥ずかしがらず、自分から先生や生徒に助けを求める事で、時には思わぬ友達ができたりもしますがMちゃんも自然にそれができているので、残りのパウエルリバー学区での期間も、9月以降のサーニッチ学区での期間でもいろんな人と交流をもって生活できると思います。
日本の高校1年時に取得した科目が、どのくらいカナダBC州の単位として認められたのか?
Mちゃんが日本の高校1年生時に取得した単位が、BC州の卒業単位としてどの様にTransfer(トランスファー)されたでしょうか?こちらをご覧ください!
国語→Japanese10、Japanese11、Japanese12 (選択科目として各4単位)
数学→Foundations of Math and Pre-Calculus10(卒業必須科目として4単位)
理科→Science10(卒業必須科目として4単位)
公民→Social Studies10(卒業必須科目として4単位)
美術→Art Studio10(選択科目として4単位)
情報→Computer Studies10(選択科目として4単位)
家庭科→Food10(選択科目として4単位)
体育→Health and Physical Education10(選択科目として4単位)
なんと!日本での高校1年時の履修科目から、合計40単位(卒業必須科目12単位・選択科目28単位)がBC州の高校の単位として認められたことになります!BC州の取得必須単位数が計80単位なので、半分も認められたことになりますね。これは大きい!
またSocial Study(ソーシャルスタディ)は、内容の難易度も高いため、現地の高校にて受講させられる可能性が高いのですが、MちゃんのケースではBC州単位として認められています。この単位認定は学区の判断による部分もあるため、通学予定の学区によって内容が変わることもございます。パウエルリバー学区は、他学区と比べても比較的に単位認定に対しておおらかなので、この様な好条件でスタートさせることができたのだと思います!
どの学区へのお申し込みでもそうですが、この様に単位認定を有利にするためにも、英語の成績表をしっかりと用意をしていただくのがいいかもしれませんね!
その中で感じる違いや、それぞれの自分に合うところ、ちょっと自分とは合わないかなと感じる部分をじっくりと分析して、きちんと言葉にして話してくれて、「自分がやりたいこと・やるべきこと」としっかり向き合える素敵な生徒さんです。目の前で起きていることが例え一見自分にとってマイナスに見えることでも、別の視点を持ってポジティブ捉えてくれたり、状況をしばらく静観して様子を見るという冷静な面もあり、「カナダで生活する」のに大切な思考法を自然と持っていて、アドバイザーである立場でもMちゃんから学ばせてもらうことがいっぱいあります。
Powell River School District(パウエルリバー学区)のBrooks Secondary School(ブルックス高校)では、好成績を取得し、自然に囲まれた朗らかな環境で周りのお友達やホストファミリーとの交流を深めることができ、次のステージにて自分を高めていきたい!とSaanich School District (サーニッチ学区)のStelly’s Secondary School(ステリーズ高校)への転校を検討してくれました。この転校を決める時も、「アートを学ぶのにいい環境」ということで弊社から学区にも相談し、ビクトリアエリアで有名なアーティストが先生として教えてくれるアートのクラスがあるParkland Secondary School(パークランド高校)がいいのでは、という提案もあったのですが、Mちゃんは自分でも調査を進め、アートクラスの充実度はもちろん、クラブ活動として模擬国連もあるStelly’s Secondary Schoolにしたいです!と希望を決めました。自分が求めるものに対する心の灯を絶やさず、前に進んでいく力のあるMちゃんの今後のさらなる成長が楽しみです!
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