子どものカナダ留学中、親バカの親に出来ること

私はカナダ留学の専門教育コンサルタント、移民コンサルタントとして約15年のキャリアを積んできました。この業界に入った年齢が多分ほぼ最年少ということもあり年齢の割にはキャリアが長いね、とよく仰って頂きます。メール等のみでやり取りをしていていざ直接対面カウンセリングをした時は「こんな若いと思いませんでした!」と20代のころはよく言われていました。ただメールのやり取りや経験・知識という部分から親御様のほとんどが私の年齢で判断することなく、信頼して私にお子様の将来を託してくださいました。さすが海外進学、カナダや世界へお子様を出そうとしているご家族は視野が広く、しっかり本物を判断する目があるのだな・・・と自分のことですが思い、そしてそういう親御様に信頼をして頂けるよう引き続き自分の知識と見分を広げ続ける努力が必要だと感じます。

今日はそんな親御様との関係で学ばせて頂いた経験から「子どもを留学させて成功する親御さん」の特徴についてお話したいと思います。

子どもが留学中に親に出来るたった一つの事

それはずばり「子離れ」です。子どもが親離れをするためにはまず親が子離れをする姿勢を見せないと子どもはいつまで経って親に甘えてしまいます。親心としてはずっと頼りにして欲しい、ずっと守ってあげたいという気持が出ますしそれは私も痛いほど理解出来ます。でも皆さん今までも小さいステップをたくさん重ね少しずつ子離れをされてきました。もちろん心が痛むこともあったと思います。例えば幼稚園がはじまってすぐは泣いてお母さんから離れない子ども・・・「3歳から集団生活なんてさせなくてもいいかな」と泣く子どもを見て思ったお母さんも多いのではないでしょうか。でもその痛みを親子で共有しながらも前を向くことによって1か月後には子どもは笑顔で登園出来るようになり、そして幼稚園でたくさんのことを学んでいきます。

それと同じように、留学をさせる場合は親からまず子離れをしてあげないといけません。突き放すのではなく「見守る」が大切になります。そしてもし何か問題が起こった時は、今海外で起っていることが分からない親よりも、カナダ現地にいるホームステイファミリー、カナダ現地校の学校の先生、そして私やスタッフなど留学コンサルやカウンセリングを担当してくれる人に頼るように助言をしてください。「お母さんが言ってあげる」ではなく「そのことは一度自分で相談してまた結果どうだったか教えてね」と言えるようになって頂きたいです。これは必ずお子様の成長に繋がり、そして問題の解決もスピーディーに行えます。

具体的な「子離れ」の例

数年前からサポートしているご家族の中にとても心配症のお母様がいらっしゃいます。私の目から見たらお子様はかなり自立していて私に何も聞かなくても学校のことなど自分で現地校の先生と相談して解決するような、そんなとても聡明なお子様でした。お母様からはお子様が私に相談してくる前から「この授業の内容は?」「この授業をとって卒業出来ますか?」「どんな宿題が出ますか?」「これは受験するのに有利ですか」というようなメールが頻繁に届き、ホームステイとのお子様のやり取り一つ一つを「こんなこと言われたけどこれって普通ですか?」「ホストがこんな風に娘にいったようですがこれって冷たくないですか?」などお子様が特に何も思っていない事でもお母様が心配してとりあえず不安を解決したい、という思いからご連絡が来ていたと思います。

留学開始から1年ほどたってお母様から「娘との関係が良くない」とご相談を頂きました。そして娘さん自身も「なんだか自信がなくなってきた日本に帰ったほうが良いですかね・・・日本の高校に行けますか?」とご連絡がありました。よくよく話を聞いてみるとお母様からの毎日の連絡がとても億劫になっていたようで返信するのも疲れるし、そんな時間があったら英語で友達やホストファミリーと話をしたいしカナダの大学のリサーチもしたい、ということでした。でも返信を無視すると「大丈夫?」とメールが来たり「お母さん心配しているよ」と言われるため徐々に自分は一人でカナダ留学できるほどの人間ではないのかな、と思ってきたようです。

そこで私はお母さまに娘さんに連絡を取る回数を減らすのはどうか、ということで提案しました。お母さんはご自身が連絡していることでこのすべてのことが起こっている、ということは理解出来なかったようでしたが娘様がカナダの高校留学を途中であきらめてしまうということを一番恐れていらっしゃったので、一度私に任せて頂き「自分から娘に連絡を取らない」という約束をして頂きました。娘さんにも「お母さんから連絡が来ないようになるから、もし良ければたまに近況や楽しかったことなどをお母さんに伝えてあげてね」とご連絡しておきました。すると2か月後、お母様から「娘から楽しい報告が届くようになった!週末はお母さんと電話したいって久しぶりに言われました!」ととても明るい声で連絡がありました。お嬢様に確認してみるとお母さんの対応で自分が疲れ果てていたこと、不安に思うことを全部お母さんと共有して落ち込んだりしたけどそうではなくて自分で解決することで自信もついたし、ホストや友達にも頼って関係が良くなりました!」ということでした。現在Oちゃんはグレード12、お母様とも程よい距離で連絡を取りつつカナダの大学に進学するために最後のグレードを頑張っています。

親は全員が親バカ、だからこそ子供を信じて見守る力を

私も姉妹の母ですが本当に子どもたちが可愛くて仕方ありません。今5歳、3歳と一番ママママ期なので今カナダ留学を考える年齢のお母様とお話をすると「その時期が一番ですね!楽しまれてくださいね!」といつも温かいお言葉をかけて頂いています。この子たちが中学生になった時、果たして私が子離れ出来るのだろうかとたまに不安にもなります。そういう時は勇気をもって子どもを海外に送り出し子離れ親離れを実現した親子こそ、素晴らしい道を歩むことが出来ている!信頼こそが親子の絆には欠かせない!と仕事人生から学ばせて頂いた教訓を胸に自分も時がきたら頑張らないと、と言い聞かせています。

人を信じるってなかなか難しいですが、一番基本になるのはその人のことを信用出来るか、ではないでしょうか。それは友達や夫婦関係もそうですしある程度子どもが大きくなり一人の人間として成熟してきたら親子にも当てはまることだと思います。私もまだまだ経験値が浅かった時、ホームステイファミリーの話だけをうのみにして「〇〇ちゃんがこういうことをされているそうです」と親御様に報告したことがありました。そのお母様は「そのことについて子どもからは事前にこう聞いていますし私はこの子を信じているのでもう一度事実を確認してください。子どもがもし間違っているなら謝罪し指導します、もしホストファミリーが間違っている場合は子どもともう1度話をさせてください」ということでした。その時結局ホストの勘違いでその子は何も悪いことをしていなかったのですが、私がもしこの親御さんの立場であればその話を信じていたかもしれません。でもこのお母様は「私と娘はいつもしっかり話をしてお互い信頼があります」と仰っていたことがとても印象に残っています。信頼しているから自信がある、そんなことは絶対しいない自信がある。我が子だから・・・そんな思いを感じました。

親は全員親バカだから子どもはまっすぐ育つそうです。誰かが最大限の味方だと潜在意識の中にあるから大人になっても頑張れるそうです。留学には必ず親御さんの理解と協力が必要です。親馬鹿だからこそ子供を信じて遠くにやる、そして現地にいる私たちを信頼して子どもを託して頂く。時にはその思いが暴走する親御さんもいらっしゃいますが、私は気持ちはよく分かりますのでいつも状況をしっかり論理的に説明しご理解を頂くよう努めています。そうすると少しずつ私と親御様の間にも信頼関係が出来てカナダ留学での現地サポートがやりやすくなります。そうやって少しずつ関係を構築できるこの仕事を私は大好きで、いつも親御様にも助けられ励まされております。お子様の将来、ぜひ一緒にサポートさせてください。これからも留学しているお子様、そして送り出しているお母様の一番の味方でいられたらと思っています。

AN WESTHILL EDUCATIONAL CONSULTING(LIVE YOUR LIFE)代表 西岡 彩

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